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保険とライフプランナー
昨日、生命保険を見直したことについて書いたけど、一度首を突っ込むとトコトン調べたくなってしまうのが私の性。で、インターネットで調べていたらいろいろなことがわかった。

日本に最初に近代保険制度を紹介したのは福沢諭吉だって、知ってた?ゆきちつながりだ。(笑)で、1997年に日産生命が倒産までは、戦後日本では保険会社の倒産は一軒もなく、累進課税の比率の高い日本では中間所得者層の割合が多いことなどから生命保険市場は世界一だったらしい。

でもご存知のように、バブル崩壊後は不良債権に加えて逆ざや契約が増えたため、経営が悪化して保険会社の破たんが相次いだ。千代田生命はAIGスター生命に、東邦生命はGEエジソン生命に・・・といったようにほとんどの会社が外資系の救済という名の買収をされている。(WEBではスポンサー契約とか移転っていう言い方をしているので買収という言葉が正しいのかわからないけど)

破綻の口火を切った日産生命はあおば生命となり、そのあおば生命はプルデンシャル生命に吸収合併されている。また、同じく破綻した協栄生命もプルデンシャル生命に吸収されて、ジブラルタ生命保険として営業している。昨日来てもらったO君は、何を隠そうこのプルデンシャル生命保険のライフプランナーさんだ。

このプルデンシャル生命保険はパッケージの保険がなく、まったくのオーダーメイドなので今流行の非営業型は一切していない。必ずライフプランナーさんが出向いてface to faceで会話をして組み立てるのである。

これを最初聞いたとき、私は「え?」っと思った。日本の保険会社は、外交員を大量採用してとにかく足で稼ぐ営業スタイルだった。(お母さんの友達に保険のおばちゃんって必ずいたでしょ?)けれどこのやり方は非常にコストがかかる。これに対して外資系の非営業型(電話やWEBだけの営業活動)のやり方は人件費が抑えられるので、安い保険料の商品が提供できる。日本の保険会社はこれにかなりの危機感を覚えて、どんどんこの非営業型販売を取り入れようとしている真っ最中だ。

だがこのプルデンシャルは一切それはやらない。それが企業ポリシーだという。「時代と逆行してるんじゃないの?」と最初は思った。けれども、O君と上司のHさんと会話をしていくうちに、それはある意味正しいということがわかった。

保険は非常に難しい。裏には素人にはわからないカラクリがあったりする。また保険は非常に高い買い物だ。マイホームに匹敵するくらいの高い買い物をするのに、専門家の意見を聞かないのは非常に危険だ。マイホーム同様信頼できるところにお願いするのが一番である。それにはやはり、直接営業と会って会話をする方がよいのだ。

たとえば、Hさんがアメリカ人の保険の話をしてくれた。賢いアメリカ人は収入の24%を差っぴいて生活するという。24%のうち、8%は保険、8%は貯蓄、8%投資にまわすらしい。つまり、月収が20万円だったら1万6千円は保険にまわすということだ。この金額を目安に保険のボリュームを考えたらどうか・・・と提案してくれた。そんな話、ネットにはどこにも書いてない。やっぱりface to faceだからこその提案だと思う。

OさんもHさんも、保険の営業としては今まで会った誰よりも優秀だったが、話を聞いてみるとプルデンシャルは新卒社員は採らないそうだ。色々な業種で活躍してきた人をヘッド・ハンティングして面接をする。その面接は2時間に及ぶらしい。100人いて採用されるのはほんの数名だけ。選りすぐりの優秀な人をライフプランナーとして育てているのだ。そりゃ、優秀なわけだ・・・。

プルデンシャルグループが日本の破綻した生保を吸収して伸びている理由はこんなところにあったのか・・・と思った。こりゃ、日本の企業は勝てないべ。
by dalai_kuma_tan | 2006-02-13 11:27 | いろいろ思うこと


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